ダイエット時によく謳われている摂取カロリー<消費カロリーという量のアプローチですが、減らせばそれで全てOKではありません。
より効果的で健康的にダイエットを行う為には、カロリーを抑えつつも、筋肉をつけて、病気にもなりにくいというのが理想ですね。
今回はそんなより深いダイエットでの栄養摂取の考え方であるPFCバランスの計算方法や重要性を紹介します。
1度計算してしまえば、意識も変わりますし、都度細かい計算をしなくとも摂取する食品や量は確実に変わりますので、最後まで読んで人生をより豊かにして下さいね。
INDEX
PFCバランスの重要性と5大栄養素について!
PFCバランスとは食事から摂取する栄養の質の目安になるものです。
1日の摂取カロリーを計算し、理論的にダイエットを実践している方はいらっしゃりますが、その摂取カロリーの内訳には注意していますか?
人間が健康的に過ごす為には5大栄養素をバランスよく摂る必要があり、その中でもカロリーを持つProtein/たんぱく質,Fat/脂質,Carbohydrate/炭水化物の3つは特に重要で、
これらの頭文字をとったPFCの割合の事を「PFCバランス」と呼びます。
日本では厚生労働省より「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」が策定され、PFCバランスの事をエネルギー産生栄養素バランスと名付けて、適正な割合について提示しています。
PFCバランスが偏っているとどうなるのか
バランスよく栄養を摂る事は、身体とメンタルの調子を整え、病気の予防につながります。
栄養は大きく5つに分ける事ができ、以下の5種類を5大栄養素と呼びます。
この中でPFCの身体に影響を与える役割は以下になっています。
Protein:タンパク質は骨や筋肉や髪等をつくる
Fat:脂質は食事の吸収や消化、脳の機能を正常にする、体温の調節を行う
Carbohydrate:炭水化物は体と脳のガソリンと表現され、不足するとイライラしたり集中力の欠如につながる
つまり炭水化物を一切摂らないダイエット等といった、どれかに偏ったダイエットを行うと体に異変がおこりやすくなってしまい、いかに危険な事かわかるでしょう。
後ほど触れますが、炭水化物は本来摂取カロリーの中の50%を占める必要があるほど必要な栄養素ですので、それを0にする等の一切摂らないダイエットはやめましょう。
食物繊維の便秘解消効果とダイエット効果!デニス・バーキット博士の研究内容考察!
前述の5大栄養素に加え、食物繊維を加えた6大栄養素という言葉も最近では出てきています。
もともと食物繊維は吸収されずに排泄されるので無意味と考えられていたものの、1972年に英国のデニス・バーキット博士らが「食物繊維とがんの関係性」の研究報告でがん予防に効果がある事を発表しています。
食物繊維をたくさん摂るアフリカ人と、不足気味のイギリス人に対して、食事したものが便となって排泄されるまでの時間(消化管通過時間)を比較すると以下の結果になりました。
- アフリカ人:平均36時間
- イギリス人:平均73時間
アフリカ人はイギリス人の2倍以上の頻度で便を排泄している事になり、1回ごとの排泄量も多かったのです。
便秘解消効果があるのは明らかで、しかも食べた物が2倍もの長期に渡って大腸内に滞在する事で、便が大腸内で腐敗し、がんの原因になる発がん物質や人体に有害な物質を大量に発生させてしまうという別のリスクまで存在している事がわかりました。
今回の記事では、食物繊維のダイエットへの影響を紹介します。
食物繊維は大きく「水溶性」と「不溶性」の2種類に大別され、それぞれの効果は以下です。(水に溶けるか溶けないかです)
- 水溶性食物繊維:水に溶けて便を軟らかくする事で排泄を促す。栄養素(糖質≒炭水化物)の吸収を緩やかにする。
- 不溶性食物繊維:水を吸収して膨らみ腸管を刺激して腸を活発にさせて排便を促す。満腹感を持続させる。
つまり食物繊維には血糖値の急上昇を防ぐ点、満腹感を持続させる点、よく噛むものが多いので食べ過ぎを防ぐ点の3つのメリットがあります。
1日の摂取目安は、成人男性で1日20g以上、成人女性で1日18g以上と言われています。
食物繊維を多く含む食品例は以下です。さらに知りたい方は栄養素別食品一覧を参照ください。
水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
海藻 | 玄米 |
昆布 | 雑穀 |
納豆 | サツマイモ |
キウイ | 大豆 |
アボカド | ブロッコリー |
ライ麦 | ゴボウ |
エシャロット | ほうれん草 |
にんにく | かぼちゃ |
アボカド | きのこ類 |
少し特殊な食品が多く、意識して摂らないと毎日は摂取する事が難しいので、個人的におすすめは多くの方が主食としている白米をオートミールに置き換える事で水溶性食物繊維を摂取することです。
ものすごくキャッチーなイラストでわかりやすく読みやすかったので、以下にオートミールについてかなり詳しく書かれた記事を紹介しておきます。
食事から摂取する場合は過剰摂取になる事はほとんどありませんが、サプリメントから摂取する場合は過剰摂取になる場合もあるので、前述の目標値を指標にして摂取するようにしましょう。
今回の記事で説明している以下3つの量に注意する事で、よりダイエットを効果的・効率的に推進する事ができます。
- 適切な総摂取カロリー量
- PFCバランスの取れたカロリー内訳
- 食物繊維の摂取量
自分の理想的なPFCバランスの割合と数量の計算方法
理想的なPFCバランスと自分に合った栄養の摂取目安を計算する為には、以下のステップで考えていく必要があります。
- 基礎代謝カロリーの算出
- 活動代謝カロリーの算出
- 目標とする肉体に対するPFCバランスを決定
- 摂取する栄養の量の算出
1つ1つ私の数値を例にしながら解説しますね!
基礎代謝量カロリーの算出
基礎代謝量とは1日の人間が生命活動する為に使用するエネルギー量の事で、具体的には心臓等の内臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を維持したりする事に使用するエネルギーです。
人それぞれ筋肉量や体格、性別で数値が異なりますので、最も一般的な以下のハリスベネディクト方程式によって算出してみましょう。
ハリスベネディクト方程式
男性: 13.397×体重(kg)+4.799×身長(cm)−5.677×年齢+88.362
女性: 9.247×体重(kg)+3.098×身長(cm)−4.33×年齢+447.593
計算が面倒な方はコチラのサイトに身長・体重を入力するだけで簡単に算出できます。
私の場合、31才/男性/175cm/63kgと入力すると、
1,596kcalと算出できました。
この数字が何もしなくとも1日に消費されるカロリー量です。
活動代謝カロリー量の算出
続いて日々の運動強度を元に、運動で消費するカロリー量を算出します。
算出方法は先ほど算出した基礎代謝量に運動量レベル係数を掛けて求める事ができます。
運動量レベル係数 | 運動量の目安 |
1.2 | 運動をほとんど行わない |
1.375 | 週に1-2回の頻度で30~1時間程度軽い運動(ジョギング) を行う |
1.55 | 週に3~4回トレーニングを行う |
1.725 | 週4~5回の激しいトレーニングを行う |
1.9 | 毎日、アスリート並みのはげしいトレーニング |
私の場合は、週に3~4回30分~1時間程度のジョギングを行うので、運動量レベル係数は1.55で計算します。
1596×1.55=2473
私の活動代謝エネルギー量(別名メンテナンスカロリー)は2473kcalであると算出できました。
この数値が1日の消費カロリー量ですので、私の場合は2473kcal以上食事を摂ると太り、下回ると痩せます。
体脂肪は1㎏あたり7,200kcalのエネルギー量を持っているので、仮に1ヶ月に2㎏痩せようとした場合、
7200kcal×2kg÷30日=480kcal
となり1日あたりの摂取カロリーはメンテナンスカロリーより500kcal近く少なく設定する必要があります。毎日500kcalを減らすというのは中々ハードな目標であるという事です。
目標ごとのPFCバランス
PFCバランスは以下のように理想とする目標に対して設定されます。
私の場合、ダイエットは意識しておりませんので、総摂取カロリーの内訳を左の表にようにしていくと理想のバランスで栄養を摂取できた事になります。
摂取する栄養の量の算出
私のメンテナンスカロリーは2473kcalでしたので、食事の総摂取量が2400kcalかつ内訳がP:F:C=20:20:60となっていれば、量だけでなく質もバランスが良いと判断できます。すなわち、
P:480kcal,F:480kcal,C:1440kcal
です。
ちなみにg表記だと少し別の計算が必要になります。タンパク質と脂質と炭水化物は摂取したg数に対して、以下のkcalのエネルギーになります。
たんぱく質1g=4kcal
脂質1g=9kcal
炭水化物1g=4kcal
これは脂質が少しの量でも沢山のエネルギーに変わる効率の良い栄養素と言える反面、過剰に摂取すると肥満になりやすい事を表しています。
私の場合のg表記も追加すると
P:480kcal(120g),F:480kcal(53g),C:1440kcal(360g)2400kcal
となります。
1日2400kcalの量で太らず、上記PFCバランスの内訳を実現できれば、健康的な体になれるという事です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ダイエットに対して量のアプローチだけを行っていた方は、PFCバランスという質のアプローチも加える事で、より健康的にボディメイキングができるようになります。
さらに栄養に関する知識をつけたいと感じた方には、研究データ等を含めてわかりやすく紹介している本を紹介しておきます。
是非自分の代謝量等も計算し、数字で自分の体を捉えるという事をやってみて下さいね!
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